
パリ・コレクション モードの生成・モードの費消
パリ・コレクションモードノセイセイ・モードノヒショウ

見せ、見つめ、求め、提供するモードの祭宴。偉大な仕立師(クチュリエ)ウォルト以来、パリの各メゾンが生み出したオートクチュール・プレタポルテの繚乱を追う。
ビジネスの手段としてのパリ・コレ──パリ・コレと呼ばれているのは、パリで一定期間に行なわれる、そうしたデザイナーたちのショーの集合体である。たとえば93年秋冬のシーズンに行なわれたショーは少なくとも80以上はあった。これをほぼ1週間という期間のうちに、もっとも集約的に、効率的に見せるために、パリが生みだし、長い時間のあいだにいきついた1つの形が、パリ・コレ、すなわちパリ・コレクションである。その目的は、きわめて明快だ。デザイナーの主義主張──それは、創造性であることもあり、新しい流行の提案、あるいは人目を引きつけるノウハウであったりする──を訴えると同時に、それをビジネスとして展開していく、ことにある。したがって、パリ・コレに招待される主な客は、ジャーナリストとバイヤー(仕入担当者)、そして重要な個人客である。つまりパリ・コレは、基本的にプロのために行なわれるものなのである。──本書より
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目次
●華麗なるビジネス
●オートクチュールの展開──一九世紀末
●女性の解放者ポワレ──二〇世紀初頭
●定着するパリ・コレクション──二〇・三〇年代
ココ・シャネルの提示する生き方
●戦争とファッション事情──四〇年代米・伊
●モードを支配するパリ・コレクション──五〇年代
●プレタポルテへのシフト──六〇年代
●プレタポルテのパリ・コレクション──七〇年代
●成熟するファッション産業──八〇年代
ジャパニーズ・ファッション・ショック
●モードの欲望とパリ・コレクション
書誌情報
紙版
発売日
1993年04月16日
ISBN
9784061491441
判型
新書
価格
定価:641円(本体583円)
通巻番号
1144
ページ数
212ページ
シリーズ
講談社現代新書