
レギュラシオン理論-経済学の再生
レギュラシオンリロンケイザイガクノサイセイ

危機ごとに姿を変える資本主義を、どうとらえるか? 最新鋭理論〈レギュラシオン〉は、人間を取り巻く「制度」に着目、そこに働く「調整」(レギュラシオン)を通じて資本主義を透視する。ケインズ、マルクスの遺産を乗り超えフランスで誕生した、21世紀の経済学を易しく説き明かす。
経済の「変化」をとらえる――問題は、経済の「変化」をどう説明するからである。しかもその変化を、個々的にでなく総体的に、そして歴史的にでなく理論的に、だがしかし、いわゆる純理論的にでなく歴史に開かれた理論として――そういうものとして「歴史理論的」にとらえてみたというのが、私の長年の願いであった。静態的な経済学でなく、いわば「可変性の経済学」を探しもとめていたのである。加えてその経済学は、理論のための理論でなく、われわれふつうの市民が使える道具として役立ってくれるものでなければ意味がないのである。そんな私にひとつの大きな啓示をあたえてくれたのが、レギュラシオン理論であった。――本書より
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目次
●資本主義はどうとらえられてきたか
経済学の第二の危機
●レギュラシオン理論の誕生と理論家たち
官庁エコノミストの挫折と挑戦
●レギュラシオンとは何か
●フォーディズムの時代
資本主義の黄金時代
20世紀末不況
●ボルボイズムとトヨティズム
企業社会ニッポン
●21世紀の資本主義
民主主義の経済学
書誌情報
紙版
発売日
1993年05月17日
ISBN
9784061491465
判型
新書
価格
定価:726円(本体660円)
通巻番号
1146
ページ数
192ページ
シリーズ
講談社現代新書