
ロシア市場経済の迷走
ロシアシジョウケイザイノメイソウカイカクトコンランノゴヒャクニチ

ロシアに市場経済は定着するのか。92年価格自由化に始まる改革意図とは裏腹に、苦境にあえぐ市民生活。表と裏が入りまじる混乱経済の実態を追跡。
経済改革への流れ――われわれはこのロシアの市場経済化への実験の軌跡をなんとか追跡して、記録しようと試みた。だが、広大な国、1億5000万人も住む国の動きがそう簡単につかまえられるものではない。そこで、政策の送り手ではなく、受け手の現場を追ってみようと、首都モスクワと極東のウラジオストクに観測の定点を決め、そこでの住民の生活、仕事、考え方などの変化の動きを中心に追跡してみた。(中略)ロシア市場経済の行方はまだ定かではないが、長い間の社会主義思考に染められ、画一的な考え方しかできなかったロシア人が、大混乱、混沌の中で戸惑いながらも少しずつ変わろうとし、変わりつつある姿だけは浮き彫りにされたのではないかと思っている。――本書より
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目次
●ショック療法――1992年1月――6月
クルラツコエ団地のカザンスキー家
路上商人――モスクワ
市場がロシアを狂わせる
●さまよえる経済改革――1992年7月――12月
党マフィアのスキャンダル
民営化証券を買い集める勢力
●エリツィンの綱渡り――1993年1月――5月
あえぐ砲弾工場
クルラツコエ団地の500日
書誌情報
紙版
発売日
1993年08月11日
ISBN
9784061491601
判型
新書
価格
定価:641円(本体583円)
通巻番号
1160
ページ数
254ページ
シリーズ
講談社現代新書
著者紹介
その他: 伊藤 嘉英(イトウ ヨシヒデ)