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「孫子」を読む
ソンシヲヨム
- 著: 浅野 裕一

人間心理の奥底を見つめ、「必ず勝つ」方法を冷徹に追求しつづけた孫子。勝算の冷静な分析、無勢で多勢に勝つ方法、リーダーに迫る5つの罠――など、しなやかな知と逆転の発想にみちた「最古最高の用兵理論」を読みとく。
百戦百勝はベストではない――『孫子』の兵学の特色は、軍事についてきわめて柔軟な発想を展開している点である。たとえばその柔軟さは、戦争イコール戦闘とは考えないといった形で現れてきている。…… 「交を伐つ(敵の外交関係を断ち切る)」(謀攻篇)といった外交戦術であったり、「謀を伐つ(敵の陰謀を未然に葬る)」(謀攻篇)といった謀略活動であったりする方が、金もかからず、血も流れず、はるかに効率がよいことになる。…… 孫子にいわせれば、決戦以外の戦闘をいかに巧みに回避して行くかが、将軍の腕の見せどころであって、百戦百勝を誇るのは、すでに百戦した点で凡将と称すべきである。――本書より
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目次
●現代と「孫子」
●「孫子」の成立とその兵学思想
●勝算はどちらにあるか
●用兵とはスピードである
●兵站こそ生命線
●戦わずして勝つ
●無勢で多勢に勝つ方法
●指揮官いかにあるべきか
●やめ方こそ戦争最大の課題
●「孫子」読みの「孫子」知らず
書誌情報
紙版
発売日
1993年09月16日
ISBN
9784061491632
判型
新書
価格
定価:836円(本体760円)
通巻番号
1163
ページ数
226ページ
シリーズ
講談社現代新書