素朴と無垢の精神史 ヨーロッパの心を求めて

素朴と無垢の精神史 ヨーロッパの心を求めて

ソボクトムクノセイシンシヨーロッパノココロヲモトメテ

講談社現代新書

待たざること、自然の内に生きること――心の黄金を求める情熱は素朴な生の形を選ぶ。富や贅沢に背を向けた西洋のシンプリシティの系譜を辿る。

西洋の心とは――私たちがまず気づかなくてはならないことは、文化や文学や芸術は、私たちを取り巻いている今日の富や贅沢の中からではなく、質素で純朴で自然と密接に結びついた生活から生まれるということである。富に支えられた贅沢な生活ではなく、むしろそのような状況にあってこそ、人間とは何か、シェイクスピアのいう「アダムの艱苦」を味わいながら大自然とともに生きるとはどういうことか、善なる神の被造物になるとなどういうことかを肌で感じられるようになるのだ。――本書より


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目次

●師と弟子の対話
●祝福される貧困
●田園の哲学者
●心の中の黄金
●自然に語りかける聖者
●「呪われた金への渇望」
●無から生まれる幸福
●「自然状態」について
●童心への憧憬
●退屈なる理性

書誌情報

紙版

発売日

1993年12月15日

ISBN

9784061491793

判型

新書

価格

定価:641円(本体583円)

通巻番号

1179

ページ数

182ページ

シリーズ

講談社現代新書

著者紹介