
戦争を始めるのは誰か 湾岸戦争とアメリカ議会
センソウヲハジメルノハダレカワンガンセンソウトアメリカギカイ

戦争権限は大統領にあるのか、議会にあるのか。湾岸戦争を目前に控え、議会は動き出す。もはや共和党も民主党もない。戦争か否かの1票を自らの良心に従い、投じるのだ。
「アメリカ議会最良の時」――議会制度は瀕死の状態だという人もいる。冒頭紹介したような、アメリカでも日本でもみられる議員の生態は、その証拠だ。(中略)議会制度は、利権構造で民衆に媚びたがために、存立の基盤を自ら切り崩し、復讐を受けているのだ。これは、日本も同じことである。問題は、議会制度の根幹にかかわるような事態が訪れたときに、どれだけ本来期待されている機能を議会が果たせるかだ。よたよたのアメリカ議会は、ペルシャ湾岸危機が実質的な米・イラク戦争へと移行していく最後の局面で、とにかくその期待に応えようと試みた。歴史を振り返りつつ、先人の言葉を思い出しながら、同時に、ひとりひとりの議員が自身の歩んできた道を思い起こしながら、議場で「良心と判断」の説明をしようと努めた。議員の演説は夜を徹して行われ、延々30時間にも及んだ。――本書よ
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目次
●議員に対する不信感
●重苦しい開幕
●自己の決断と良心で投票せよ
●誰に国民を戦争に引き込む権限があるのか
●宣戦布告なき戦争の歴史
●超大国の戦争権限
●決議案準備――開戦か、制裁か
●論戦始まる――「ここにいるのはアメリカ人だ」
●投票、そして祈り
●論戦の幕閉じる
書誌情報
紙版
発売日
1994年01月17日
ISBN
9784061491847
判型
新書
価格
定価:641円(本体583円)
通巻番号
1184
ページ数
236ページ
シリーズ
講談社現代新書