
戦後企業事件史
センゴキギョウジケンシ

経営トップの公私混同、内紛、粉飾決算、不正融資、そして倒産。社会を忘れ、逆命利君を疎んじる会社大国が引き起こした多種多様な企業事件を題材にして、事件の主役とその構造に迫る。
株主総会――毎年、6月末の同じ日の同じ時刻に、一斉に株主総会が開かれる。上場企業のほぼ9割もがこんな異常なことをやるのは、総会屋が恐いからである。総会屋のハシゴを恐れて、企業はこそこそと形式的に株主総会をする。なぜ恐いのか。それは企業が弱みをもっているからである。(中略)一般的には総会屋が悪者視される。右翼や暴力団と区別のつかない総会屋は確かに誉められた存在ではない。しかし、彼らが生存できるのは、企業がつけこまれる隙をもち、彼らにエサを与えるからである。内紛、汚職、粉飾決算等、さまざまに恥部や暗部をもつ企業は、それを嗅ぎつけた総会屋に口止め料を渡す。問題は総会屋よりも企業にあるのである。――本書より
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目次
・児玉誉士夫の時代
・トヨタ倒産危機
・千葉銀行事件
・新日鉄の誕生と内紛
・富士銀行19億円不正融資
・三菱油化社長追放事件
・KDD事件
・関西電力名誉会長解任劇
・住銀会長辞任とイトマン事件
・ゼネコン汚職
書誌情報
紙版
発売日
1994年02月16日
ISBN
9784061491915
判型
新書
価格
定価:641円(本体583円)
通巻番号
1191
ページ数
226ページ
シリーズ
講談社現代新書