
生きることと読むことと 自己発見の読書案内
イキルコトトヨムコトトジコハッケンノドクショアンナイ

忘れられない本がある。生きる励ましとなり、心の支えともなる本がある。自分にとって本当に必要な本といかにして出会うか。読書の醍醐味を語る。
「出会い」としての読書――人間は生きていく上でいつも順調にいくとは限らない。精神的にも、肉体的にも、あるいは家庭や、勤務先での立場や、どんなところで物事がうまくいかず、いつ生が危殆に瀕するかもしれない。ぼくの経験を言えば、そういう時に最も力になってぼくを救う役目を果たしてくれたのは、家族や友人や同僚ではなく、何よりもまず書物であった。だからここではぼくが生涯に何度か陥った危機のとき、あたかも救済者の如く現れ、ぼくを力づけてくれた本のことを語ろうと思う。人は自分がそれをそれと知らずに欲していたとき、まさにそこに現れるべき本に出会うことがあるものだ。――本書より
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目次
●元気が衰えたときに読む本
●読書にスタンダードはない、ということ
●書物の中には人生が刻まれている
●人間を学ぶとはどういうことか
●ぼくを日本の現実に出会わせた本
●危機の救済者として現れた本
●自己の根っことしての日本の古典
●こころの礎となった「西洋」の古典
●自分にとって無縁な本、有縁な本
●結局、読書とは何か?
書誌情報
紙版
発売日
1994年02月16日
ISBN
9784061491922
判型
新書
価格
定価:641円(本体583円)
通巻番号
1192
ページ数
194ページ
シリーズ
講談社現代新書