赤ん坊から見た世界

赤ん坊から見た世界

アカンボウカラミタセカイゲンゴイゼンノコウケイ

講談社現代新書

その目に映るものは何? なぜ知識もなく複雑な文化世界に入れる? 物理を理解し、言語以前の思考ができる、謎と魅力にみちた、人間の「原型」に迫る。

言語以前の思考――満1歳から1歳半にかけて、子どもの思考は大いに発展していく。そのような、まだほとんど言葉が出ていないような子どもが、意味やカテゴリーの体系をもっているといわれると驚くかもしれない。とくに、言葉と思考を同一に見ている立場からすれば、言語以前にカテゴリーのような高度な思考の基本があるなど、奇妙に思われることだろう。しかし、最近の証拠に照らしていえば、むしろ言語と言語による意味は、言語以前の思考を基礎にして成立するのである。最近の多くの研究によれば明らかに、乳児期の後半において子どもたちは、さまざまなカテゴリーを形成しているのである。そのカテゴリーの根本は、しかし、抽象的な思考というよりも、外界の知覚に関連したイメージ的な思考によっている。――本書より


  • 前巻
  • 次巻

目次

●胎児は聞いている
●人間の顔が現れる
●物の世界が成立する
●赤ん坊は物理を理解する
●基本感情の誕生
●移動すれば世界が変わる
●指さしという不思議な行為
●言語以前の思考
●原始の概念としてのイメージスキーマ
●この世界に夢中

書誌情報

紙版

発売日

1994年05月17日

ISBN

9784061492028

判型

新書

価格

定価:770円(本体700円)

通巻番号

1202

ページ数

264ページ

シリーズ

講談社現代新書

著者紹介