政治家の誕生

政治家の誕生

セイジカノタンジョウキンダイイギリスヲツクッタヒトビト

講談社現代新書

強健の行使に禁欲的で、現実に対する深い洞察と、豊かな構想力をもつ。暴力ではなく、言葉を手段として改革を実現する──近代イングランドを舞台に、あるべき政治家像を描く。

政治家とは──歴史をひもといてみると、いつの時代も、政治家の評判はかんばしいものではなかった。しかし侮蔑や厳しい批判にさらされつづけた多くの政治家のもとで、人々が平和と繁栄を享受したことも忘れられてはならない。批判にさらされながらも、なおかつ、結果として人々に平和と繁栄をもたらしたという事実のなかに、われわれはもしかしたら、政治家による統治が他のどのような統治よりも優れている点を見ることができるのかもしれない。政治家が政治の表舞台から姿を消したとき、人々が独裁者や軍人、あるいは狂信的な指導者の強権のもとにおかれ、自由を失い、ときにおびただしい血が流されたことを歴史はこれまで何度も見てきている。──本書より


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目次

●政治家の起源
●政治家のいない世界
●最初の職業政治家
●政治家のエトス
●政治の世界で哲学は有効か
●政治家の構想力
●天職としての政治家
●改革のための政治
●「妥協と折衷」による政治
●精神において政治家たりえない者

書誌情報

紙版

発売日

1994年06月16日

ISBN

9784061492066

判型

新書

価格

定価:694円(本体631円)

通巻番号

1206

ページ数

234ページ

シリーズ

講談社現代新書

著者紹介