
言葉のアヴァンギャルド
コトバノアヴァンギャルドダダトミライハノニジュッセイキ
- 著: 塚原 史

世紀が移り、新たな芸術が「運動」し始める。「切断の意識」につらぬかれた前衛──未来派、ダダ、シュレアリストたちが企てる言葉の解体・解放の冒険的な試み。意味を無化する方向に働く「20世紀の想像力」を考察する。
「20世紀」の表現者──彼らのほとんど唯一の共通項は、あの二重の「切断」の意識だったといってよい。一切の「過去」や「伝統」と断絶すること、そして「意味」や「内容」の支配から「外観」と「かたち」を解放することによって、アヴァンギャルド諸派は20世紀的なものの最初の表現者となったのである。──本書より
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目次
●二〇世紀的なものとは?
二つの「切断」の意識
●アヴァンギャルドの出現と言語空間の変容
「誰が書くのか」──《私》の危機
●イタリア未来派、過去との切断──マリネッティ
タブラ・ラサの欲求
●チューリヒ・ダダ、意味との切断──ツァラ
意味から解き放たれた語群
●パリ・ダダからシュルレアリスムへ──無意味の祝祭の果て
●二〇世紀的なもののゆくえ
書誌情報
紙版
発売日
1994年08月11日
ISBN
9784061492141
判型
新書
価格
定価:694円(本体631円)
通巻番号
1214
ページ数
206ページ
シリーズ
講談社現代新書