森はよみがえる

森はよみがえる

モリハヨミガエルトシリンソウゾウノココロミ

講談社現代新書

生き物たちの命を育み、水の恵みをもたらす緑の森が、都市化の中で荒廃していく。失われゆく「里山」の復興をめざし、北海道苫小牧の地で進められている都市林作りの実践をリポート。

荒れる里山――戦後の経済成長が始まった昭和30年代以降になって、住民自身の里山に対する価値観も大きく変化してきた。生活様式の近代化、都市化にともなって、長く住民生活を支えてきた里山からの緑肥、飼料、薪炭や日用材などの供給が、もはや不可欠のものではなくなったのである。それによって、かつてはさまざまな生活資源を恵む宝の山だった里山の雑木林は、価値の乏しい貧弱な林としか見られなくなり、利用も手入れもされぬまま放置されるようになってしまった。住民との連帯を失った日本の里山は、いまやかつての姿をほとんど失いつつあるのが現状なのである。――本書より


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目次

●都市林とは何か
●試みの舞台
●多目的利用の体制作り
●森の道作り
●環境緑地の林業
●都市林の針葉樹
●森の応接間
●小川の復活
●動物たちの復帰
●人の活動

書誌情報

紙版

発売日

1994年09月16日

ISBN

9784061492202

判型

新書

価格

定価:748円(本体680円)

通巻番号

1220

ページ数

242ページ

シリーズ

講談社現代新書

著者紹介