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税金の論理
ゼイキンノロンリ
- 著: 石 弘光

それなくしては国家や社会が成立し得ない不可欠の存在。しかし、わかりにくく、なじみにくいのが税金の仕組。なぜ税金を納めねばならないのか? 公平・中立の原則は守られているのか? 税金の歴史をふり返り、所得税、消費税など現行税制のもつ問題点と今後の展望を平易に解き明かす。
公平というモノサシ――税金は、国家の徴収権と国民の納税義務の間に存在する。従って両者の納得のいく、ある種の課税の基準つまりモノサシといったものを必要としている。課税にあたり伝統的に、公平、中立の二大原則が重視されてきた。われわれは一応この課税の公平に対し、水平的公平と垂直的公平という、より詳しい二つのモノサシを用意している。水平的公平というのは、経済的にみて「等しい状況にある者は等しく取り扱われるべきである」という課税上の原則である。もう一つの垂直的公平は、水平的公平の考えを裏返しにしたものである。「異なる状況にある者は異なるように取り扱われるべきである」という原則で、累進所得税の根拠となっている。――本書より
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目次
●国家の存立基盤
●税金の移り変わり
●税金の王様・所得税
●利子・株の儲けと税金
●正体不明の法人税
●世界を席巻した付加価値税
●平等化社会に不可欠な資産課税
●地域社会と密着した地方税
●成熟社会のチエ
●間接税シフトの条件
書誌情報
紙版
発売日
1994年12月16日
ISBN
9784061492295
判型
新書
価格
定価:726円(本体660円)
通巻番号
1229
ページ数
220ページ
シリーズ
講談社現代新書