オペラ歳時記

オペラ歳時記

オペラサイジキ

講談社現代新書

春の誘惑、真夏の夜の惨劇、秋の美少女、クリスマスの悲恋。季節は恋の媚薬、そして恋はオペラの命。〈ワルキューレ〉から〈ボエーム〉まで、めぐりゆく12カ月を軽妙なエッセイで綴る、悦楽のオペラ・カレンダー。

オペラと季節の結び目――塔から垂らされたメリサンドの髪にペレアスが指をからませていたのが見つかってしまったのは、まちがいなく夏だった。ではドン・ジョヴァンニがセビリヤの郊外で村娘ツェルリーナを誘惑しようとしたのは、一体春なのか秋なのか?6月なのだろうか9月なのだろうか?これから並べるのは、オペラと季節とを結ぶ、結び目のいろいろだ。1月に5つ、2月に5つと、12月まで続いて、数は60ある。うまく結べてリボンがなんとか蝶のかたちになっているんじゃないかと自負しているのもあるけど、中にはほどけかけているようなものもある。うまくいったらおなぐさみ!――本書より


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目次

●安全に年を越すには
●二月は官能の月
●燕の暮らし
●ケルビーノが着替える時
●すべての蕾がほころび
●よく冷えた音楽
●真夏の嫉妬には大量の血を
●狩は女の仕事
●酒の秋
●冬はやって来ない

書誌情報

紙版

発売日

1995年04月17日

ISBN

9784061492462

判型

新書

価格

定価:694円(本体631円)

通巻番号

1246

ページ数

230ページ

シリーズ

講談社現代新書

初出

『本』1990年1月号から1994年12月号まで連載

著者紹介