
ロシアを読み解く
ロシアヲヨミトク
- 著: 廣岡 正久

“巨大帝国”ソ連邦が崩壊し、ロシアは漂流を続け、ロシア人は、自らのアイデンティティ喪失の危機におののいている。“断絶”に苦吟する超大国の真実の姿を歴史的・文化的に跡づけ、「ロシア人とは一体何者なのか」を根底から解読する。
大きな喪失感――帝国が崩壊してしまった今日、……エストニア人やリトアニア人などバルト諸国の諸民族、そしてタタール人たちが自らの主権をかち取り、自らの国家を樹立し、あるいは樹立しようとしているのに対して、ロシア人は固有の国家と領土を失ったと感じている。彼らの意識を満たしているのは……“喪失感”にほかならない。巨大なソヴィエト帝国が誇示した“地政学”上の地位の喪失におののき、傷つけられた民族的矜持に悲鳴をあげているというのが、現在のロシア人が陥っている心理状態なのである。――本書より
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目次
●スラヴ人とロシア人
●国家と権力
●民族と民族意識
●“神”のロシアと無神論
●ロシアと革命
●ロシア地政学とユーラシア国家
現代ロシアの地政学――「ニア・アブロード」
●アイデンティティ危機とジリノフスキー現象
●ロシアの未来学
“改革”から“反動”の時代へ
書誌情報
紙版
発売日
1995年06月16日
ISBN
9784061492554
判型
新書
価格
定価:694円(本体631円)
通巻番号
1255
ページ数
204ページ
シリーズ
講談社現代新書