
貧農史観を見直す
シンショ・エドジダイ03ヒンノウシカンヲミナオス

むしろ旗を立てて一撥を繰り返す“貧しき農民たち”は事実か? 年貢率、生産力のデータを検証し、江戸期の「農民貧窮史観」を覆す。
飢餓問題の本質――江戸時代における在来農法の生産力水準は、近代農法と比べても決して見劣りしているわけでなはく、一定の生産力を確保していたのである。むしろ、飢餓問題の本質は、幕藩領主の支配領域が錯綜していたことになる。つまり幕藩領主の農民救済策や藩外への穀物の移出を禁じた津留などの制度上の側面、さらには輸送手段の不備、情報不足などといった農作物の流通のあり方に求められるのである。――本書より
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目次
●庶民の時代
封建小農の成立
●国土利用の転換点
大開拓の時代
●米と四木三草
めざましい品種改良
●農民は貧しかったか?
「村高」というタテマエ
●農書が語るもの
農民が書く農書
書誌情報
紙版
発売日
1995年08月10日
ISBN
9784061492592
判型
新書
価格
定価:726円(本体660円)
通巻番号
1259
ページ数
177ページ
シリーズ
講談社現代新書