
鎖国=ゆるやかな情報革命
シンショ・エドジダイ04サコク=ユルヤカナジョウホウカクメイ

「鎖国によって日本の文明化は遅れた」ことが定説となっているが、事実か? 幕府は海外の情報を独占・管理し、それを的確に解析できるシステムを作った。江戸期の情報管理を再評価する。
「発信」と「受信」――いわゆる「鎖国」以来、幕末まで二百数十年の江戸時代は、これまで、世界の情報から取り残された時代という観点から、とかくネガティブにとらえられることが多かった。しかし果たしてそうであったのであろうか。…… 江戸時代においては、それまで未知の国であった「ヨーロッパ」に関する海外の情報を的確にとらえ、同時に今日の情報化社会へのインフラストラクチャー(社会的基盤)が、徐々に形成されつつあったように思われる。…… 「鎖国」は、いわば日本が情報の「発信」を停止した時代であり、海外からの情報を丹念に「受信」していた時代である。しかも、その中心は、それまで未知の国であったヨーロッパに関する情報を「受信」することにおかれていた。――本書より
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目次
●平和の時代
参勤交代
●未知の世界へのアプローチ
キリスト教世界へのメッセージ
●海外情報収集のシステム化
●異文化とのインターフェース
●仮想体験の世界
●広がるイマジネーション
●パーセプション・ギャップの克服
●双方向コミュニケーションへの道
書誌情報
紙版
発売日
1995年09月18日
ISBN
9784061492608
判型
新書
価格
定価:694円(本体631円)
通巻番号
1260
ページ数
206ページ
シリーズ
講談社現代新書