四字熟語

四字熟語

ヨジジュクゴヨンモジガカタルユウキュウノチエ

講談社現代新書

「天心爛漫」な若者が「閉月羞花」の美女に会い、「一日三秋」恋の末、「洞房華燭」の夜を迎え、前途は「鵬程万里」「悠悠自適」……。わずか四語で人を、動かしてきた四字熟語の森を歩き、その深くはるかな知恵を読み味わう。

最高の美女のたとえ「閉月羞花――美しい女の発散する魅力は男を惑わすばかりではない。月も花も鳥も魚も美女の前には動揺する。……美しさをほめるのだから、せいぜいおおげさに、天地にもわたるスケールか欲しいところだが、さすがに昔の人々はよく考える。「閉月羞花」。美しいものの代表としての月や花。その月さえも雲の中に隠れ、花も羞ずかしがってしまう。それほど美しいというのだから、これは最高である。「羞花」は李白が美女・西施を歌った詩の……その美しさ古今随一、ハスの花さえ羞じるほど、にもづく。西施といえば美女の代表。豊満なイメージの楊貴妃とは違って、ほっそりした透き通るような美女である。胸を病んで、苦しげに胸をおさえ眉をしかめた様子が、ぞっとするほど色っぽかったという(「西施捧心」)。隣の女(なぜか東施という名前になっている。かなり美しくなかったらしい)が、あぁ、ああすれば美しく見えるんだわとまねをして、まわりの人間が逃げたという話もある。かわいそうな話だが、おかしい。――本書より


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目次

●愛する女の四字熟語
●明眸晧歯/傾城傾国/落花流水/佳人薄命
●頑張る男の四字熟語
●不撓不屈/鵬程万里/大器晩成/巻土重来
●政治家たちの四字熟語
●先憂後楽/首鼠両端/翻雲覆雨/酒池肉林
●悠悠自適の四字熟語
●雨奇晴好/酔生夢死/天衣無縫/行雲流水
●温故知新の四字熟語
●韋編三絶/博士買驢/夏炉冬扇/夜郎自大

書誌情報

紙版

発売日

1995年07月17日

ISBN

9784061492646

判型

新書

価格

定価:792円(本体720円)

通巻番号

1264

ページ数

258ページ

シリーズ

講談社現代新書

著者紹介