
アガペ―の愛・エロスの愛
アガペーノアイエロスノアイアイノジッセンヲカンガエル
- 著: ガラルダ・ハビエル

愛するとはどういう行為か。一見別物に見える性愛も親切も、自分を意欲的にし、他者に働きかける点で、同じ愛である。一体化を求める対話的行為としての愛を考える。
愛における一体化、一体化による生命――セックスは楽器であり、愛は音楽である。セックスは愛の音楽をつくる楽器である。純潔は、愛の音楽を作る声である。「心は形を求める。形は心をすすめる」という広告があったが、2人の恋愛感情は性的な一体化という形を求めるが、その形は自然に、愛における一致、一致による生命という心をすすめることになる。ところが手段であるべきはずのセックスが、そこから得られる快楽そのものを目的とするようになると、セックスは精神的なエロスから離れて、愛をすすめない欲望になる。この自己中心的な欲望は、結局、肉体的な緊張とその緊張からの解放感を味わおうとする快楽にすぎないものになる。それとは反対に、アガペーとエロスに満ちたセックスは、お互いの体と心を満たす全人的な一体化をすすめるものである。――本書より
- 前巻
- 次巻
目次
●アガペーの形――与える愛
アガペーは実践である
アガペーは献身する
●エロスと性愛――求める愛
セックスは愛の見本である
恋愛におけるセックスの位置
エロスにおける忠実性
●対話の精神――愛のあらゆる問題の解決である話し合い
対話の共通目的である理解と共感
相手が言わないことを理解する
書誌情報
紙版
発売日
1995年09月18日
ISBN
9784061492721
判型
新書
価格
定価:726円(本体660円)
通巻番号
1272
ページ数
188ページ
シリーズ
講談社現代新書