
鎌倉新仏教の誕生
カマクラシンブッキョウノタンジョウカンシン・ケガレ・ハカイノチュウセイ
- 著: 松尾 剛次

法然、親鸞、道元、叡尊ら続々登場した祖師は何を救済しようとしたのか。“官僧・遁世僧”という独自の視点から解く。
遁世僧の成立――本書のメインテーマは鎌倉新仏教だというのに、なぜ官僧の話をまずとりあげたのか。実は、法然、親鸞、日蓮、栄西、道元、明恵、叡尊といった、私見では鎌倉新仏教の祖師と考えられる人たちが、いったんは官僧となったことのある僧侶だからであり、かつ、官僧集団との対立・協力関係を通じて、自己のあるべき道を見出していった僧だからである。すなわち、彼等は官僧の世界で自己をみがくとともに、官僧の世界の在り方に不満を持ち、官僧の特権と制約から離脱して、新しい教えをひらいたのである。いわば、官僧たちの世界は、鎌倉新仏教の母胎であったといえる。――本書より
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目次
●官僧と遁世僧
●白衣と黒衣
●勧進の世紀
●非人救済
●葬送の論理
●女人救済
●鎌倉新仏教の思想
●親鸞と叡尊の比較
●中世都市の成立と「個」の自覚
●日本人のターニングポイント
書誌情報
紙版
発売日
1995年10月16日
ISBN
9784061492738
判型
新書
価格
定価:694円(本体631円)
通巻番号
1273
ページ数
202ページ
シリーズ
講談社現代新書