英語の世界・米語の世界

英語の世界・米語の世界

エイゴノセカイ・ベイゴノセカイソノレキシ・ブンカ・ヒョウゲン

講談社現代新書

英語と米語は、本家と分家の関係。源は同じでも、発音やイントネーションから単語の意味や用い方、スペリングにも差異がある。2つの言語の異なる相貌を歴史の中に探る。

微妙な違いはなぜ起こる? ――“ブリティッシュ・イングリッシュ”と“アメリカン・イングリッシュ”の真の差は、人々が考えている以上に大きいのだ。それは、アクセントとか語彙とか、外にはっきりと出てくるものだけではない。眼には見えず、耳にも聞こえず、だがどこかに存在する微妙な違い――どう定義したらよいのかもわからない多くのことが、会話には強く影響するのだ。例えば、どういう速度で話すのか。センテンスとセンテンスの間をどれくらいあけるか。どういう人に対してどの程度丁寧にすればよいか。何かを言おうとするときのごくふつうの話し方は? 会話のテーマとして、話題にしてよいものは何か、よくないものは何か。これらのことは、それぞれの国の中でも、個人差があり、地域差、階級差もある。だが、同時に、イギリスとアメリカの文化の差もかなり強く影響している。……言語の差とは、実はこれらすべてを含んだものなのである。――本書より


  • 前巻
  • 次巻

目次

●“アクセント”が人物判断の基準に
●英語はイギリス人にとって最後の砦
●根強いアメリカニズムへの蔑視
●アメリカン・イングリッシュ――誕生の歴史
●さまざまな影響――押し寄せる移民の波
●ピジンからクリオールへ
●アイデンティティとしての英語
●ウェブスターの綴字改革
●英・米の綴りの違いはなぜ生じたか
●言語問題は政治問題の反映
●何がスタンダードか
●言語的性差別への取り組み
●“ネットワーク・スタンダード”の広がり
●“U”と“non-U”
●エスチュアリ・イングリッシュ
●2つの英語-対立から協調へ

書誌情報

紙版

発売日

1996年02月20日

ISBN

9784061492882

判型

新書

価格

定価:694円(本体631円)

通巻番号

1288

ページ数

204ページ

シリーズ

講談社現代新書

著者紹介