輪廻転生を考える

輪廻転生を考える

リンネテンショウヲカンガエルシセイガクノカナタヘ

講談社現代新書

私はどこから来てどこへ行く。前世は何? 死後は? 自己が自己である理由を考える。

輪廻転生観の歴史――情報化文明の中で、現在の少年少女は、まだ年端もいかぬうち、宇宙的な視野の広がりに直面する。それが、「なぜ20世紀末の今というときに、ここ地球星の日本という島に生きているのか」という問いを生む。また、みんな同じような家に住み同じような服を着て同じような教育を受ける、という現代の超過密化した管理社会が、「自分は本当はいったい誰なのだろう」という、出自を求める問い、アイデンティティの問いとなる。輪廻転生観は、まさに、これら、《今》と《ここ》の問い、「私は誰か」の問いに答えるべく、忘却の淵から呼び戻されたのだ。前近代の迷妄と思われていたものが、ポストモダンの死生観の有力候補としてよみがえりつつあるのだ。――本書より


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目次

●輪廻転生観の歴史
 仏陀以前の最大の哲人は秘密を守ったか
●前世の記憶の「経験科学」
 オカルト的世界観に別れを告げよう
●独我論 対 遍在転生観
 独我論的体験と《今とここ》の問い
●「私はだれ?」の哲学
 「私の出生は5億分の1の確率」は本当か?
●華麗なる死生学の誕生
 記憶なき転生に意味がある?

書誌情報

紙版

発売日

1996年05月20日

ISBN

9784061493032

判型

新書

価格

定価:726円(本体660円)

通巻番号

1303

ページ数

204ページ

シリーズ

講談社現代新書

著者紹介