
銘酒誕生
メイシュタンジョウパイチュウトショウチュウ
- 著: 小泉 武夫

民族の伝統的知恵と気候風土がはぐくんだ中国の白酒と日本の焼酎。「活力の水」ともいうべきアジアの二大蒸留酒の芳醇かつ多彩な世界を案内する。
固体発酵と理想的リサイクル――白酒製造の際の副産物である蒸留糟は、それらの豚を飼育するのにきわめて重要な飼料となっているのである。固体発酵という特殊な微生物作用を受けてきたために、栄養成分は豊富で消化吸収は他の固体飼料に比べて抜群によい。……豚はこの糟を食べてどんどん大きくなり、そのうちに白酒の肴として食卓に出てくる。その間、豚の糞は畑に撒かれて、白酒の原料を育てる肥料となる。……穀類原料を固体発酵させることにより、そこから白酒を得ると同時に豚肉を得、そして白酒の原料穀物まで得るといった、何ひとつ無駄のないすばらしいリサイクルが成立しているのである。――本書より
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目次
●蒸留技術とその伝播
「生命の水」として普及
●中国の白酒
固体発酵の謎を解く
白酒と香型
白酒で発展した薬用酒
●日本の焼酎
蒸留技術はいつ、どこから
熟成・ブレンドの独自性
魅力あふれる各地の焼酎
書誌情報
紙版
発売日
1996年07月19日
ISBN
9784061493117
判型
新書
価格
定価:694円(本体631円)
通巻番号
1311
ページ数
220ページ
シリーズ
講談社現代新書