
アメリカの軍事戦略
アメリカノグンジセンリャク
- 著: 江畑 謙介

冷戦後、軍縮が進むなかで空母だけは削減しないのはなぜか? 欧州重視から太平洋重視に転換した理由は? 日米安保再定義から核軍縮までアメリカの「ポスト冷戦」戦略を見通す決定版。
在外米軍基地削減と空母――冷戦が終結し、米国は大幅な軍備の縮小と同時に、海外米軍基地の閉鎖、返還にも着手した。その必要がなくなったのと、配備しておくに十分な数の米軍部隊がなくなったからである。冷戦が終り、地域紛争の増大が予想される時代にあたり、この在外米軍基地の削減と米国の軍事力展開能力の維持という矛盾をどう解決するか。その答えとして米国が目を付けたのが空母の価値であった。その数は、かつてソ連の海軍力増強に対抗して、全世界での制海権を確保するための15隻という規模はもはや必要ではない。だが、削減幅は大方の予想であった半減ではなく、わずか3隻という小幅なものに留まったのである。そして1996年度予算でも、米国議会は10隻目の原子力空母CVN-76の建造費を承認した。――本書より
- 前巻
- 次巻
目次
●アメリカは海洋国家だ
●「海の軍縮」には応じない
●対日作戦
●冷戦の終結と核兵器
●核兵器の欠点
●地域紛争と米国の緊急派兵態勢
●湾岸戦争の失策
●在日米軍の構成と能力
●21世紀の米国戦略と兵器輸出
●TMDは「罠」になるか
書誌情報
紙版
発売日
1996年08月20日
ISBN
9784061493193
判型
新書
価格
定価:726円(本体660円)
通巻番号
1319
ページ数
218ページ
シリーズ
講談社現代新書