ユダヤ人ゲット-

ユダヤ人ゲット-

ユダヤジンゲットー

講談社現代新書

なぜユダヤ人は隔離居住を強いられたのか。フランクフルトのゲットーの建設から解放までを実証的に跡づける。

ゲットー遺跡をめぐって――1987年2月、〈市の交通サービスセンター建設工事現場で〉ゲットーの遺跡が明るみに出て、公に報道された時、フランクフルトではこの発掘遺跡の保存と工事の中止をめぐって、大論争が持ち上がった。……「数百年にわたり隔離され、しいたげられながら、嘲笑され忍従する生活を強いられた民の遺跡を取り壊し、コンクリートを流し込んで固めてしまうことは、第2次世界大戦のユダヤ人大量虐殺に続く、最終的ユダヤ人の抹殺である」という訴えは、圧倒的多数の心を動かした。「ゲットーからアウシュビッツは一直線ではない」として工事を続行しようとする保守政権側の主張は、完全な敗北に終わり、その結果生まれたのがゲットー博物館なのである。――本書より


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目次

●ゲットー前史
 宗教会議でのユダヤ人規定
●ゲットーの成立とその構造
 ゲットーの建設と強制移住
●ゲットーでの日常生活
 ゲマインデの集会と意思決定
●過密化、そして解放の動き
 密集化で環境悪化
●ゲットー後史
 新ユダヤ人居住地区プラン

書誌情報

紙版

発売日

1996年11月20日

ISBN

9784061493292

判型

新書

価格

定価:726円(本体660円)

通巻番号

1329

ページ数

268ページ

シリーズ

講談社現代新書

著者紹介