
都市防災
トシボウサイ
- 著: 吉井 博明

迫りくる都市直下型地震にどう備えるか。阪神大震災の教訓を詳細に検証し、予知・救助・復興の抜本的見直しを提言する。
グレイゾーン情報の取り扱い――本来、地震学者は、観測結果を科学的に評価し予知情報を作成することにのみ責任を持つものであり、それを受けて国民に予知情報を公表し、必要な対応措置を呼びかけるのは政府(行政)の役割である。……しかし、現実には、判定会が地震発生の危険性があるとした場合、内閣総理大臣は警戒宣言を出さざるを得なくなると予想される。起きるかどうか判断に迷うという地震学者の「本心」をストレートに表現した予知的情報が判定会から出されても、政府としては困るのである。……日本のようにマス・メディアが高度に発達し、しかも情報公開を求める国民世論が強い国においては、観測データに重大な異常が出たとき、その情報を非公開することはあり得ないということである。――本書より
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目次
●被災現場
●初動――クライス・コントロール――
●避難生活と生活再建
●ボランティアの善意を生かすために
●防災体制の歴史に学ぶ
●地震予知
●東海地震の観測を強化
●迫り来る災害に備えて
●「都市防災」の明日
●地域防災力の向上を
書誌情報
紙版
発売日
1996年12月19日
ISBN
9784061493322
判型
新書
価格
定価:705円(本体641円)
通巻番号
1332
ページ数
238ページ
シリーズ
講談社現代新書