
上海路上探検
シャンハイロジョウタンケン
- 著: 渡辺 浩平

改革・開放はヒトと街をどう変えたか。衣食住、職場習慣からトイレ事情まで、つぶさに綴る最新報告。
南京路と准海路――南京路と准海路では客層が違う。南京路は外地人が多いとされている。オート三輪にテレビを詰め込む男や、布類をパンパンに詰めたボストンバックを脇に抱え歩道に座りこむ女性や、いくつもの羽毛布団を提げた男女などを見かける。……服装もくすんだ色が多く、今なお人民服もおり、いささかやぼったいのである。特に平日は、明らかに外地からのお上りさんが多いことが見て取れる。南京路と比べ准海路を歩く人々は年齢層が低く、男性や女性も垢抜けた服装が多い。特に女性がかっこいい。ジーンズやスリットの入ったスカートに短めのTシャツをあわせ、荷物も偽ヴィトンのハンドバッグや小さなリュックサックに伊勢丹の袋だけ、ショーウィンドウを横目に颯爽と歩いてゆく。……准海路と常熱路の交差点「美美百貨」という海外のブランドばかりのショッピングセンターがあるが、そんなところに行けば、中年男性と上海小姐のカップルがやたら目につく。――本書より
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目次
●路地の暮らし
●壊される里弄
●「単位」について
●国営市場からスーパーマーケットへ
●白相、白相
●南京路の殷賑
●「外賓」という存在
●「購物天堂」
●都市的ということ
●上海人の選民意識
書誌情報
紙版
発売日
1997年01月20日
ISBN
9784061493360
判型
新書
価格
定価:704円(本体640円)
通巻番号
1336
ページ数
178ページ
シリーズ
講談社現代新書