
国の借金
クニノシャッキン
- 著: 石 弘光

財政赤字はなぜここまで累増したのか。きたるべき高齢社会に向けて、いま何を改革すべきか。わが国が直面する最重要政策課題を、欧米諸国とも比較しつつ、第1人者が解き明かす。
国の借金とは何か――いったん公債がある年度に発行されると、5年なり10年なりの償還時まで毎年利子を払いつづけなければならぬ。そして最終的には償還時に借りた元本をそっくり返済する必要があることから、一般にこの元本返済のため、国際整理基金特別会計にあらかじめ減債資金を積み立てておかねばならない。利子を含めた元利払いのための費用が国債費であり、注目すべきことは、この国債費が21.7%と歳出予算の中で最も高いウエイトを占めている点である。これは累年の借金の後始末を意味しており、国民が最も重要と考える社会保障関係費を上回る規模になってしまったところに、日本財政にみられる借金体質の深刻さがあるといえよう。この借金依存の体質を改めようとする財政再建あるいは財政構造改革が、21世紀に向けての大きな政策課題となってきている。――本書より
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目次
●国の借金とは何か
●財政赤字の弊害
●将来世代へのツケ回し
●ケインズ政策の後遺症
●公債の売り手・買い手
●財政赤字をどう削減したか
●欧米における財政赤字削減
●財政構造改革に向けて
●政府リストラの範囲拡大を
●国民の責任
書誌情報
紙版
発売日
1997年02月20日
ISBN
9784061493391
判型
新書
価格
定価:704円(本体640円)
通巻番号
1339
ページ数
212ページ
シリーズ
講談社現代新書