
知能指数
チノウシスウ
- 著: 佐藤 達哉

「頭のよさ」とは何なのか。それは測れるものなのか。知能検査の成立、その後の歪んだ歴史、荒唐無稽なエピソードの数々――IQ神話を徹底検証し、知能観の見なおしを迫る。
何を疑い、何を知るべきか――IQというのは、頭のよしあしの基準を確定したい、あるいは、人々を頭のよさという1つのモノサシの上に序列化してみたい、という壮大な野望の産物である。そして、捉えようとしている知能(が仮にあるとして)と、捉えられた知能はまったく別物と思ってもいいくらいのものであった。しかしそのことに気づいた人は少なく、多くの悲劇を生み出すことになったのである。IQを批判的に検討するためには、まず、その奇妙さを実感できるような例をいくつか体験し……次にIQの歴史を振り返ってみたい。より本質的な批判として、なぜ知能を測定する必要があるのか、そもそも測定なんかできるのか、ということを問うためにも必要な作業である。――本書より
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目次
●知能は測れるのか
●IQの基礎知識
●「頭のよさ」とは何か
●ビネ-シモン式知能検査
●数値信仰の起源
●知能遺伝説という虚構
●偉人たちのIQ
●検査する側とされる側
●IQ神話を超えて
●新しい知性観
書誌情報
紙版
発売日
1997年02月20日
ISBN
9784061493407
判型
新書
価格
定価:704円(本体640円)
通巻番号
1340
ページ数
198ページ
シリーズ
講談社現代新書