
謎解き中国語文法
ナゾトキチュウゴクゴブンポウ
- 著: 相原 茂

可能の助動詞はどう使い分けを? 否定の“不”の位置は? 不可解といわれる文法を解きほぐし、中国語らしさの感覚をみがく、中・上級への手引。
婉曲表現としての“很不_”――さて、なぜ“很不”のような回りくどい言い方をするのか。直接ズバリと、良いなら良い、悪いなら悪いと言えばよいではないか。だが、それではこの世は立ち行かぬ。“很不_”は婉曲表現なのである。そもそも人や事物に対して、良いとか悪いとか、評価を下すことは難しい。手放しでほめれば軽く見られる。厳しいことを言えば嫌われる。……ほめとけなしの微妙なさじ加減に心砕くのが、人間である。そこで、相手を立て、こちらのメンツも保つ。それが評価である。……重要な点は、このような婉曲表現は、第三者に向けられるということだ。遠回しに人を低めるのである。自分のことにはふつう使用しない。……これは結果的には、自分たち(=話し手や聞き手)、つまりこちら側に対するケアである。自分に優しい婉曲表現である。――本書より
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目次
●デキル三羽ガラス
●“能”は技能の具現化
●外的情況が許した「可能」
●介詞フレーズと“不”
●“在NP”は動詞と疎遠である
●比較の結果は肯定形で
●形容詞の陰と陽
●アナログペアとデジタルペア
●「小さい」のに「大きい」と言う不思議
●主語賓語論争の決着
●VO動詞のプレッシャー
●日本人であるゆえの誤り
●多項状語配列のルール
●呼応する数量表現
●剰余の原理、衝突の原理
書誌情報
紙版
発売日
1997年02月20日
ISBN
9784061493421
判型
新書
価格
定価:792円(本体720円)
通巻番号
1342
ページ数
232ページ
シリーズ
講談社現代新書