失われた化石記録

失われた化石記録

ウシナワレタカセキキロクコウゴウセイノナゾヲトク

講談社現代新書

35億年前、地球に何が起こっていたか!?

細胞はどのようにして始まったのか?──生命の始まりに関する大きな謎の1つに、細胞とその代謝がどのようにして始まったのかということがある。最初の細胞は、今日生きている生物の中でいちばん小さくいちばん単純な、マイコプラズマのようなものではなかったのかと想像したくなる。マイコプラズマは本当に小さい。わずか数百のタンパク質をつくる指令に必要なだけのDNAしかもっていない。すべてが寄生性であり、他の細胞内で成長し繁殖する。これは最初の生命形態としては、ありえない生活の仕方である。これに代わりうるモデルは、ふつうの細菌である。しかし細菌というのは驚くほど複雑なもので、数百種類のポリマー、1000種類以上の酵素、数千万個の分子から構成されている。最初の細胞は、もっとずっと簡単なものだったはずである。いちばん初めの細胞がどのようなものであったのかを知るには、今日の生命と最初の生命との間を仕切っている進化のヴェールをはがす必要がある。──本書より


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目次

●ダーウィンのジレンマ
●新しい科学分野の誕生
●最古の化石とその意味すること
●生命はどのようにして始まったのか?
●最初の細胞の代謝の記憶
●私たちはなぜ酸素を吸うのか?
●こんなに早くから、こんなに速く、こんなにまで?
●シアノバクテリア=地上最古の「生きている化石」
●私たちと同じような細胞がついに現れる
●ダーウィンのジレンマの解決

書誌情報

紙版

発売日

1998年03月20日

ISBN

9784061493445

判型

新書

価格

定価:924円(本体840円)

通巻番号

1344

ページ数

342ページ

シリーズ

講談社現代新書

著者紹介