手足を持った魚たち

手足を持った魚たち

テアシヲモッタサカナタチセキツイドウブツノジョウリクセンリャク

講談社現代新書

世界の第一人者が書きおろす「生命の歴史」シリーズ第3弾!
人類の祖先はなぜ大陸をめざしたのか

水から陸への冒険──今からおよそ3億7000万年前、不思議で重要な出来事が地球上で起こった。時はデボン紀と呼ばれる地球史上の一時代。もっとも、一般には「魚の時代」という呼び名のほうがなじみやすいだろう。ところで、なぜデボン紀は「魚の時代」なのか。それは、この時代に脊椎動物、すなわち背骨を持った動物たちのあいだで、不思議な出来事が起きたからだ。魚類型の動物が急増したのである。この動物たちは湖や川、沼地、入り江にすみついていた。そしてデボン紀の後半には、指の付いた四本の足=四肢を発達させたのだ。この「四肢動物」は、以後3億5000万年ほどのあいだに、水中生活を離れて、地上を歩き回る脊椎動物へと進化し、徐々に陸上を支配するに至った。四肢と指を持つ四肢動物には、もちろん私たちも人類も含まれる。だから、この事件は、地球にとっても私たち自身にとっても深い意味を持っている。──本書より


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目次

●水から陸への冒険
●類縁関係と近縁──肉鰭類の系統
●頭骨と骨格の変化
●デボン紀の世界
●最初の足──ファメニアン期の四肢動物
●アカントステガの重要性
●石炭紀の始まり──第1段階
●石炭紀後期──広がる地平線
●生き物たちの上陸作戦
●首、肋骨と呼吸/足、指と移動運動

書誌情報

紙版

発売日

2000年01月20日

ISBN

9784061493452

判型

新書

価格

定価:946円(本体860円)

通巻番号

1345

ページ数

304ページ

シリーズ

講談社現代新書

著者紹介