
ウイルスVS.人体
ウイルスブイエスジンタイ

ここまでわかった「永遠なる侵略者」の正体!ウイルスは何を考えているか?
[ウイルスの戦略]――ウイルス感染を全身に広げないようにする生体の防御機構のひとつであるはずのアポトーシスが、癌やエイズなどの局面では、むしろウイルスの戦略に利用されたとも思える結果になってしまうのである。宿主――ウイルス関係はむかしの戦争にたとえられる。ウイルスは矛をもって宿主を攻めたて、宿主のほうは盾をもってこれに立ち向かうことになる。ウイルスの矛が宿主の盾を打ち破って感染することに成功すると、文字どおり、矛盾が起こることになる。最大の矛盾は、この盾となっているはずの防御機構そのものが生体を病気にさせる原動力であるという、ある種のウイルス病が存在することであろう。こうなってくると、われわれの精巧緻密な免疫系もかたなしである。策士が策に溺れてしまうわけだ。――本書より
- 前巻
- 次巻
目次
●ウイルスとは何か
●ウイルスは生物か無生物か
●ウイルスの増殖のメカニズム
●そうして病気になるのか――矛(ウイルス)と盾(免疫)
●感染しても何もしないウイルス
●ウイルスと生物の進化
●ウイルスに「性」はあるか
●ヒトVS.ウイルス
●ウイルスの未来
書誌情報
紙版
発売日
1997年08月20日
ISBN
9784061493704
判型
新書
価格
定価:704円(本体640円)
通巻番号
1370
ページ数
206ページ
シリーズ
講談社現代新書