
人生の価値を考える
ジンセイノカチヲカンガエルキョクゲンジョウキョウニオケルニンゲン
- 著: 武田 修志

ただ生きるかよく生きるか、あるいは挫けるか。逆境に落ちて突きつけられた問いを考え抜いた人たちの生き方を通し、生の意味を考察する。
人間は問われている存在──「人生には無条件の意味がなければならない」──これはどういうことであろうか。「人生には無条件の意味がなければならない」とは、言い換えれば、「人生にはどんな場合にも意味がある」ということである。それゆえ、まずこれによって言えることは、フランクルの人生に対する姿勢は、多くの人々のそれとは異なって、そもそも「人生には意味があるか、ないか」と問うような姿勢ではない、ということである。それどころかフランクルは、我々が人生に意味があるかと問うのは、「はじめから誤っている」という。我々は「生きる意味を問うてはならない」という。なぜであろうか。これに対するフランクルの答はこうである。それは、「人生こそが問いを出し、私たちに問いを提起しているから」である。我々は人生を問う存在ではなく、逆に人生から「問われている存在」だからだ、と。──本書より
- 前巻
- 次巻
目次
●星野富弘の場合
艱難さえもよろこぶ
●岸本英夫の場合
死を見すえて生きる
●青年士官の場合
極限状況における「任務」
●ヴィクトール・フランクルの場合
人生を意味あるものにする3つのやりかた
●ソクラテスの場合
魂は不正によって滅びる
書誌情報
紙版
発売日
1998年02月20日
ISBN
9784061493919
判型
新書
価格
定価:726円(本体660円)
通巻番号
1391
ページ数
230ページ
シリーズ
講談社現代新書