
バリ島
バリトウ
- 著: 永渕 康之

「神々の島」「芸術の島」は、いかにして生まれたのか。バリ、バリ、ニューヨークを結んで織りなされた植民地時代の物語をたどり、その魅力の深層に迫る。
植民地博覧会と「バリ島」──1920年代から30年代にかけての大戦のはざまにあたる時期、バリでは植民地統治体制が完成期を迎えていた。……同じ時期、バリの名を決定づける2つの事件が、パリとニューヨークという文明の中核地点で起こっていた。1931年パリの国際植民地博覧会、そして1937年ニューヨークでのミゲル・コバルビアスの「バリ島」の出版である。植民地博覧会に出展したオランダ政府は主展示館のテーマを「バリ」と定め、バリ舞踏団を招き、これがバリ芸能の最初の海外公演となった。1度目のバリ滞在の帰路パリに立ち寄り、この博覧会を興味深く見ていたメキシコ人コバルビアスが、再度バリを訪れ、そのときに得た資料をもとに書いたのが「バリ島」であった。この本はバリ文化紹介の決定版となり、日本語にも翻訳されている。──本書より
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目次
●「神々の島」と「芸術の島」
●植民地としてのバリ──バリ文化とオランダの統治
バリ島観光のはじまり
●パリに来たバリ──1931年国際植民地博覧会とオランダ館
プリアタン楽団の成功
●ニューヨークのなかのバリ──ミゲル・コバルビアスと「バリ島」
●ウブトの芸術集団の誕生
書誌情報
紙版
発売日
1998年03月20日
ISBN
9784061493957
判型
新書
価格
定価:770円(本体700円)
通巻番号
1395
ページ数
224ページ
シリーズ
講談社現代新書