
金融不安
キンユウフアン
- 著: 及能 正男

もはや誰も銀行を信じない。不信感が日本経済を萎縮させる。はたして金融が甦る日はくるのか──。独自のデータから日本・欧米の銀行破綻を詳述し、金融システムの本質的転換を迫る!
2行2 証券倒壊で幕が開いた──97年11月の2行2証券倒壊は、ひとつひとつの事例をみれば無理のない結末だったが、91年3月12日の東海銀行による三和信金〈本店東京)救済合併に始まる、いわぼ崩壊後の銀行破綻連鎖の、句読点なのか、それとも終止符なのか。……銀行は通常、安定で確固たるサービス産業の筆頭と考えられている。今世紀中葉の敗戦の混乱期をへて、この世妃末に至るまで銀行破綻は「異常事態」であり、ありうべからざる「事件」として受けとめられてきた。しかし、銀行業は本来的に安定・堅固なのか。86年から89年末へかけての金融バブルの発生、90年初頭からの株価崩落を契機として、97年12月の「惨劇」に至る8年間のバブル破裂期に、従来堅固とされてきた金融サービス産業の中核に一体何が起き、また引き続きいかなる事象が生起しうるのであろうか。──本文よ
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目次
●銀行とは何か──金融不安の根源
銀行は安全でも堅固でもない
●銀行破綻の諸相
●欧米の金融機関の破綻処理──模索と教訓の歴史
日本への教訓
●金融システム安定化への葛藤
住専問題処理の政治力学
●金融不安の現状と今後
日本の金融システム保全の失策
●戦後日本の銀行破綻史
書誌情報
紙版
発売日
1998年04月20日
ISBN
9784061493971
判型
新書
価格
定価:704円(本体640円)
通巻番号
1397
ページ数
196ページ
シリーズ
講談社現代新書