
インド対パキスタン
インドタイパキスタンカクセンリャクデヨムコクサイカンケイ
- 著: 西脇 文昭

なぜ核実験は強行されたか?宗教対立と核開発の歴史、米中ロの思惑とは。独自の現地調査で真相に迫る!
カシミール紛争は“なれあい”?――インドが圧倒的優位に立つ戦略バランスのうえに、両国間にはカシミール紛争という国境紛争がある。今回98年5月の両国の核実験による軍事対決も、このカシミール紛争をきっかけに核戦争に発展しうるのではないかと懸念する声が高い。だが、どうも理由はそれだけではなさそうな気配に気がついた。なかには「カシミールは、インド・パキスタンの一種の“なれあい”だよ。あそこに絶えず紛争の火種があることで、両国の政権ともそれぞれの国民を団結させ、体制引き締めにも利用できる。……」とささやくものがいて、著者は驚きのあまりことばがなかった。もうひとつ、現地調査をしてみて初めて著者が知ったことは、パキスタン側関係者が「カシミール問題などよりも、インドの存在そのものがわれわれに大変な恐怖を与えているという歴史的事実に注目してほしい」と異口同音に強調したことだった。――本書より
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目次
●宿命の敵対関係
暴露された「歴史」
●「大国」めざすインド
●「中国の核の脅威」は本当か?
●インドの核開発――歴史と発展
●パキスタンの核開発――歴史と発展
●ウラン型対プルトニウム型――両国の核技術比較
●「核保有国」へのハードル
●なぜ、いま核実験だったのか
●カギ握る米国の対応
書誌情報
紙版
発売日
1998年07月30日
ISBN
9784061494138
判型
新書
価格
定価:704円(本体640円)
通巻番号
1413
ページ数
186ページ
シリーズ
講談社現代新書