
拒食症と過食症
キョショクショウトカショクショウコンワクスルアリスタチ
- 著: 山登 敬之

痩せたい!食べてしまう!引き裂かれた少女たちの「いのちの迷宮」
大人になるための冒険の中で、少女たちは混乱し、「痩せること」「食べること」の狭間を漂いはじめる。現代のアリスたちの心の迷宮と癒しの物語をたどり、「時代の病」の本質を問う。
「拒食症回復コース」――仮に「拒食症回復コース」というような道筋があったとしても、それはゴールに向かって一直線に伸びる平坦な道ではない。そのコースは木の生い茂った山の中を通っていて、先の視界もあまり開けていないし、アップダウンも多い。そこを歩く者は、途中でいくつかの特徴的な風景に出会うが、これをしっかり見ておかないと道に迷ってしまう。ひとつの地点に立って、いろいろな風景をいっぺんに眺めなくてはいけないこともあれば、道を歩きながらひとつの風景を何度も確認しなくてはいけないこともある。やがて、うっそうと茂る林を抜けると、道は平坦になってくるのだが、そのときそれまで見てきた風景は遠くにあり、違った見え方をするか、わざわざ振り返らなくてもいいものになっている。――本書より
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目次
●拒食症・過食症とはどのような病気か
●拒食症はいつどのようにして始まるのか
●拒食症はどのように治療されるのか
「わからないこと」をわかろうとする
●拒食症はどのようにして治るのか
4つの通過点
●過食症をどう考えるか
「目が食べたいの」
●困惑するアリスたち――拒食症・過食症と現代
書誌情報
紙版
発売日
1998年08月20日
ISBN
9784061494169
判型
新書
価格
定価:770円(本体700円)
通巻番号
1416
ページ数
234ページ
シリーズ
講談社現代新書