特捜検察の事件簿

特捜検察の事件簿

トクソウケンサツノジケンボ

講談社現代新書

55年体制に守られた「政界の三悪」――ロッキード以降は、リクルート疑獄、共和汚職、佐川・ゼネコン疑獄にいたるまで、私自身が直接指揮する立場で捜査に関わった。そうした中、先に触れた「戦後の三悪」ならぬ「政界の三悪」とも呼べる面々を幾度となく追いつめたこともあったが、秘書の自殺などによって決定的な証拠をつかむことができず逮捕までこぎつけることができなかった。彼らは55年体制に守られ、ロッキード事件の轍は踏まないよう、自らの手は絶対に汚さないというあざとさも身につけていた。すでにどの事件も時効を迎えてしまったので実名を出すことはできないが、そのうちの2人は、首相経験者、もう1人も派閥の領袖だ、ということだけは言っておこう。――本書より


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目次

●「戦後日本の三悪」
●布施検事総長の謎の言葉
●数千万円の贈賄費用は安いもの
●首相に指揮権発動を決意させた人物
●検察と法務省の対立
●大阪地検特捜部のマスコミ操作
●検事総長の捜査開始宣言
●バラまかれた未公開株
●検察独自捜査の根拠
●21世紀に向け問われる検察

書誌情報

紙版

発売日

1998年10月20日

ISBN

9784061494183

判型

新書

価格

定価:726円(本体660円)

通巻番号

1418

ページ数

230ページ

シリーズ

講談社現代新書

著者紹介