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妖精学入門
ヨウセイガクニュウモン
- 著: 井村 君江

ケルトの小さな神々からシェイクスピア、ピーター・パンまで、妖精の誕生・分類・系譜を網羅。多彩なカラー図版も楽しめる、はじめての妖精百科!
夢魔マブ女王と17世紀の極小妖精──『ロミオとジュリエット』のマキューシオの台詞に「さて、君は一夜をマブの女王と過ごしたようだな、あいつは妖精の産婆だ」という一節がある。「妖精の産婆」とは「人間の夢を引き出す、人間に夢見させる」の意で、それをマブ女王という妖精の女王に重ねているのである。眠っている人の上に乗って悪夢を見させる夢魔(インキュバス、女はサッキュバス)とも同じに見られる。続く台詞の中でマキューシオは、マブ女王がハシバミの殻の馬車に乗った芥子粒ほどの姿で「恋人たちの頭を通れば恋の夢、宮廷人の膝を通れば敬礼の夢、弁護士の指を通れば謝礼の夢……」を見ると述べている。夢を見るのはマブ女王の仕業なのだ。──本書より
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目次
●妖精はどこから生まれたのか
ケルトの転生思想
妖精の棲む古代遺跡
自然の精霊としての妖精
●妖精のエンサイクロペディア
妖精の容姿・性質・行為・食物
●創造された多彩な妖精像
シェイクスピアの妖精
児童文学に書かれた妖精
挿絵画の妖精たち
書誌情報
紙版
発売日
1998年09月18日
ISBN
9784061494190
判型
新書
価格
定価:880円(本体800円)
通巻番号
1419
ページ数
190ページ
シリーズ
講談社現代新書