
温泉の医学
オンセンノイガク
- 著: 飯島 裕一

「お湯の力」でからだを癒す、心をほぐす
「現代病」への処方箋――現代人は、体の芯に残るようなぐったりとした精神的疲労を背負った「半健康人」が多いのではないのだろうか。適度なスポーツの後に感じる“さわやか疲労”とは根本的に異なる疲労感だ。心の病に加え、アトピー性皮膚炎、気管支ぜんそく、過敏性腸症候群など、現代の社会構造が背景に潜む慢性疾患も問題になっている。温泉治療の中には、これら「現代病」に対する、ひとつの処方箋がありそうだ――。現に私たちは、温泉にはいると心身ともにリフレッシュすることを肌で感じている。西洋医学が普及する以前は、湯治という日本独特の療法が生活の中に根づいていた。ヒポクラテス(古代ギリシャ)の時代には、エーゲ海のコス島で温泉療法が試みられていたし、欧州はクアハウスを中心に温泉医療を展開する先進地でもある。そして今。温泉の効用は医学的に十分解明されたのだろうか。予防・保養・臨床の現場で、そのサイエンスは生かされているのだろうか。――本書より
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目次
●温泉とは何か
●温泉はどのようにして体に効くのか
総合的生体調整作用
●温泉治療の現場から
皮膚病/アトピー性皮膚炎/ぜんそく/循環器疾患/脳卒中のリハビリ/慢性関節リウマチ/胃腸病/ストレス性疾患
健康保養地としての温泉
●ひと味違う入浴法
天然砂むしで循環促進
書誌情報
紙版
発売日
1998年10月20日
ISBN
9784061494237
判型
新書
価格
定価:726円(本体660円)
通巻番号
1423
ページ数
232ページ
シリーズ
講談社現代新書