
韓国は一個の哲学である
カンコクハイッコノテツガクデアルリトキノシャカイシステム
- 著: 小倉 紀藏

理の顔と感情の顔、その乖離は何に由来するのか。心性から社会のメカニズムまで、独自の「統一理論」で隣国・韓国の正体を読み解く。
[日本と韓国における道徳のイメージ]──日本の道徳は古くさく、韓国の道徳は青くさい。日本で道徳のイメージといえば、「ジジムサイ/保守」というものであろう。だが、韓国で道徳のイメージは、「青春/革新」なのである。日本の道徳は現実に追従し、韓国の道徳は現実をつくる。戦後日本では道徳教育が忌み嫌われ、道徳といえばあたかも人間性を封建的な型にはめる悪の装置であるかのように認識された。韓国でも道徳といえば、既存の価値体系への同化を強要するものでもあるが、逆に旧体制への反抗と新体制樹立への原動力でもあるのだ。これは最も尖鋭的・革命的な闘争の道具であり、ジジムササとは無縁の、青春の爆発力を持つ。この違いはどこから来るのだろうか。──本書より
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目次
●道徳志向的な人びと
●〈理の世界〉と〈気の世界〉
●ソウルの〈理気〉的しくみ
●料理の〈理気〉的しくみ
●天才の生まれる国
●生者と死者がともに住む社会
●労心者と労力者
●〈現実の歴史〉と〈あるべき歴史〉
●〈プリ〉コンプレックス
●日本は「本」ではない
書誌情報
紙版
発売日
1998年12月18日
ISBN
9784061494305
判型
新書
価格
定価:770円(本体700円)
通巻番号
1430
ページ数
238ページ
シリーズ
講談社現代新書