
〈能力主義〉の心理学
ノウリョクシュギノシンリガク
- 著: 岡本 浩一

人材としてのセルフ・チェック、公正な人事考課の方法からリーダーシップを身につけるノウハウ、自己実現の考え方まで新・人事革命を生き抜く実践的ヒントを網羅!
【評価者の投影的心理】──たとえば、自分の心のなかに「理想的な部下」のイメージを確固として持っている上司がいるとしましょう。そういう人は、自分自身の上司には、理想的な部下として振る舞うということを自分自身に課しています。その人は、自分の部下にも、そのように自分を仕えてくれることを内心願っているでしょうが、同時に、投影メカニズムにより、自分の部下の理想度を実際より高く認知する傾向をも持ちやすくなっています。そのために、客観的にはたいして理想的部下でもなさそうな人を、「私心のない理想的なヤツだ」などと評価していることがままあるものです。この種のバイアスの人事考課における問題点は、もともと、部下の能力や将来性を正確に記述するべき人事考課が、評価する人本人のバイアスを示しているにすぎないものになることです。──本書より
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目次
●能力とは何だろうか
●「人事評価」の心理学
●人材としてのセルフ・チェック
●認知的複雑性が高い人、低い人
●リーダーシップをみがく
●能力主義時代の人間関係
●自分のカベを突破する
●転職できる人、できない人
●「自己実現」を問い直す
●良心をマヒさせないために
書誌情報
紙版
発売日
1999年01月20日
ISBN
9784061494350
判型
新書
価格
定価:704円(本体640円)
通巻番号
1435
ページ数
182ページ
シリーズ
講談社現代新書