漢詩をたのしむ

漢詩をたのしむ

カンシヲタノシム

講談社現代新書

酒を歌う李白の飄逸、愛を歌う杜甫の深情、退隠を歌う陶淵明の脱俗――名吟百選を味読し、多彩な詩人たちの心にふれる本格的入門書。

漢詩独特のリズム――俳句や短歌、現代詩ではあきたらぬ詩心の表現模式が、漢詩にあるのではないか。たしかにいわれてみれば、漢詩には、現代詩にはない簡潔なリズムがあり、俳句や短歌とは異なった緊勁なリズムがあって、それが、独特の魅力となっている。漢詩のなかの近体詩(唐初に確立した律詩・絶句)についていえば、短いもので、五言絶句の4行20字。長いもので七言律詩の8行56字である。このように短詩形でありながら、1字1字が漢字としての意味を持ち、それが織りなし交響する詩心の世界は、まるで煉瓦造りの建築物をみるように、堅牢で美しい。――本書より


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目次

●兵去り 人帰るの日
●酒に対いて当に歌うべし
●慈母 手中の線
●孤遊 千里を重ねんとす
●杯尽きて壺自ら傾く
●散りて峰頭に上りて故郷を望まん
●余生老いんと欲す 海南の村
●秋天の曠野 行人絶え
●香炉峰の雪は簾を撥げて看る
●天地の詩

書誌情報

紙版

発売日

1999年02月19日

ISBN

9784061494404

判型

新書

価格

定価:814円(本体740円)

通巻番号

1440

ページ数

254ページ

シリーズ

講談社現代新書

著者紹介