ユ-ロ経済を読む

ユ-ロ経済を読む

ユーロケイザイヲヨム

講談社現代新書

新しい通貨ユーロが誕生した。マルクもフランも消滅させ、ドルとともに基軸となる人工通貨はヨーロッパを、世界をどう変えるのか。

ECUとユーロ――ヨーロッパ通貨単位ECUは、すでに取り上げたように、1979年以降ヨーロッパ通貨制度EMSの核として使用されてきた。
それは国際通貨の乱高下に対する安定装置として有効な機能を発揮してきたのである。
加盟国の通貨の価値に応じて構成されたバスケット通貨であるから、それぞれの国の通貨の変動に応じてEUの価値も変動する。
しかし各国通貨の構成比は発足後10年以上にわたってほとんど変わっていなかった。
この安定した価値を背景に、ECUの予算と多国籍企業の計算業務はECUによって行われてきた。
ECUは単一通貨の「雛鳥貨幣」として機能してきたのである。
多くの中小企業も、個人も、貯金や決済手段としてECUを使ってきた。
今にして思えば、EUは単一通貨ユーロが出現する以前に、ユーロ使用の模擬演習をしてきたのである。――本書より


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目次

●ヨーロッパ統合への道
●対立と協調
●EC共通通貨政策の展開
●現代の錬金術ECU
 バスケット通貨ECU
●ユーロの出現
 ユーロはこう使われる
●ユーロ社会を予測する
 ユーロは国際基軸通貨になる
●そしてアジアと日本は?

書誌情報

紙版

発売日

1999年03月19日

ISBN

9784061494459

判型

新書

価格

定価:704円(本体640円)

通巻番号

1445

ページ数

186ページ

シリーズ

講談社現代新書

著者紹介