
21世紀の経済学
ニジュウイッセイキノケイザイガクシジョウシュギヲコエテ
- 著: 根井 雅弘

20世紀の経済学は何を解明したのか。どこへ行こうとするのか。新古典派から現代制度派・複雑系へ、最先端経済学への招待。
現代制度派経済学の「混成性原理」――現代制度派経済学の主張のなかでとくに私たちの関心を引くのは、彼らが「混成性原理」(impurity principle)と呼ぶものである。「混成性原理」とは、簡単にいえば、「各システム(あるいは、サブシステム)には、システム全体を支配はしないとしても、そのシステムが機能するためには不可欠な「非純粋性」が含まれている」(「現代制度派経済学宣言」)という考え方のことを指している。(中略)もちろん、現代制度派経済学も、現代では「非契約的要素」より「契約的要素」の方が優位を占めていることは否定しない(これは「優越の原理」と呼ばれる)。しかし、「契約的要素が支配的ではあるが、非契約的要素も存在し、それは総体としての契約にとって不可欠な特性である」と考えるのである。――本書より
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目次
●社会主義経済の崩壊
勢いづく市場主義
●多様な資本主義
「二つの資本主義」に異議あり
●新しい経済学の台頭
「異端の経済学」レギュラシオン理論
複雑系経済学台頭の背景
●経済学はどこへ行く
ルーカス旋風とニュー・ケインジアンの誕生
異端派からのメッセージ
書誌情報
紙版
発売日
1999年05月20日
ISBN
9784061494510
判型
新書
価格
定価:704円(本体640円)
通巻番号
1451
ページ数
172ページ
シリーズ
講談社現代新書