電脳遊戯の少年少女たち

電脳遊戯の少年少女たち

デンノウユウギノショウネンショウジョタチ

講談社現代新書

現代社会を斬新に読み解く!
虚構と現実のはざまで若者たちは何を見るのか

テレビゲーム、伝言ダイヤル、プリクラになぜ若者たちは熱中するのか。電子メディア社会の中で「遊び」はどう変容したのか。斬新な視点で論じつくす。

極私の疑似共同体――インターネット上では、ニックネームにあたる「ハンドル名」でおたがいに呼びかけあいつつ、微細に分化し、自殺の方法や毒の入手まで相談しあう極私の疑似共同体が、まるでかつての遊び仲間のように自然発生する。……そうだとしても、これをもっぱら病理とし、そこからの治癒を、かつての共同体における原っぱでの仲間たちとの遊びにもとめても、それはおそらくのぞみのない処方だろう。むしろわれわれとしては、伝統的な共同体における遊びと現代の電子メディア社会における遊びとのあいだには、遊びであるかぎりでどのようなつながりがあるのか、しかしまたどのような変容と断絶があるのかを探りあてるべきである。――本書より


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目次

●鳥と少年
●「遊び」の簒奪
●当世「お買い物ごっこ」考
●笑いのエチカ
●ホラーの快楽――ケースM
●ポリゴンの迷宮――テレビゲームの快楽
●誘惑のミミクリー
●「おたく」の反乱
●ポストモダンの〈わたし〉探し
●同調のメディア

書誌情報

紙版

発売日

1999年10月20日

ISBN

9784061494725

判型

新書

価格

定価:726円(本体660円)

通巻番号

1472

ページ数

212ページ

シリーズ

講談社現代新書

著者紹介