
謎の古代都市アレクサンドリア
ナゾノコダイトシアレクサンドリア
- 著: 野町 啓

『聖書』はなぜギリシア語に訳されたか?
アリストテレスの蔵書の謎とは?
ムーセイオンと幻の大図書館を擁し、地中海・東方の学者たちが集った国際学術都市。ギリシア文化を世界に伝えた知の都の実像に迫る。
アレクサンドリアの図書館長──アンティパトロスの子カッサンドロスのいわば傀儡(かいらい)としてアテナイの総督であった、先のデメトリオスは、「アリステアスの手紙」では王立図書館長として登場する。彼は、プトレマイオス2世を思わせる王から、創建された図書館の充実のため、世界中からありとあらゆる書物を、金に糸目をつけず蒐集するよう依頼される。彼は、書物を買い求め、場合によっては写本を借用して転写し、王の意図の達成に努める。そして蒐書の完璧を期すため、ユダヤ人の律法書、すなわち『聖書』をヘブライ語からギリシア語へと翻訳し、図書館に収蔵することを王に勧める。このデメトリオスの勧告が機縁となって、エルサレムから大祭司エレアザルより派遣された72人の翻訳者がアレクサンドリアに来ることになるのである。──本書より
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目次
古代都市アレクサンドリアの運命
●メセナの時代
ギュムナシオンとムーセイオン
●国際学術都市アレクサンドリア
●大図書館をめぐる学者文人たち
「黄金の街」
●古代アレクサンドリアの学風
アリストテレスとホメロス神話
●哲学都市アレクサンドリア
──ユダヤ人フィロンとその周辺
書誌情報
紙版
発売日
2000年02月18日
ISBN
9784061494930
判型
新書
価格
定価:726円(本体660円)
通巻番号
1493
ページ数
208ページ
シリーズ
講談社現代新書