アジアの歩き方
電子あり

アジアの歩き方

アジアノアルキカタ

講談社現代新書

大宅賞作家が案内するアジアのおもしろさ。20年あまりにわたりアジアとディープに付き合う著者が、食からはじまり、感覚の違い、日本との関わり、ボーダレス化する今の姿など、アジアの「真実」を浮かび上がらせる。アジアはいつも深くておもしろい!


アジアはいつも深くておもしろい
食、危機回避の方法、常識の違い、日本との関わり、ボーダレス化するいまの姿など、アジアの「真実」がみえてくる!

スラムほど安全な場所はない――スラムや下町の住民は、自分たちの住む地区をタガログ語で「ロオバン」(内部)と呼ぶ。この「内部」に暮らしていると、フィリピン庶民の社会は一見規範が崩れているようで実は崩れていない、それなりに落ち着いた生活圏であることがわかってくる。たとえばお年寄りは日本よりもはるかに敬われ、大切にされている。男女関係でも、いきなり2人きりで映画館に行くなんて、もってのほか。男性が相手の女性の家に何度か通い、先方の親の承諾を得ないと、外でデートもできない。また、兄弟姉妹では、年長者が年少者の面倒を見る習わしで、だから日本に出稼ぎに来るフィリピン人女性には長女が多いと言われている。下宿先の周りには、知的障害を持つ子供や青年が何人かいた。彼らはからかわれたり、子供のあいだではときにいじめにもあっていたが、“隔離”や“排除”の対象では決してなかった。――本書より


  • 前巻
  • 次巻

オンライン書店で購入する

目次

第1章 ディープ・アジアの旅
第2章 されど渡る世間に鬼はなし
第3章 意地でも同じものを食ってやる
第4章 私のアジア事始め
第5章 “アジアはひとつ”なんてわけないだろ
第6章 どれがいったい“日本”なんだ
第7章 それぞれのアジア
第8章 定住する日本人

書誌情報

紙版

発売日

2001年11月20日

ISBN

9784061495760

判型

新書

価格

定価:748円(本体680円)

通巻番号

1576

ページ数

248ページ

シリーズ

講談社現代新書

電子版

発売日

2016年01月22日

JDCN

0614957600100011000K

初出

備考参照

著者紹介

オンライン書店一覧