<希望>の心理学―時間的展望をどうもつか

<希望>の心理学―時間的展望をどうもつか

キボウノシンリガクジカンテキテンボウヲドウモツカ

講談社現代新書

年齢とともに時間が速くなるのはなぜか
悲観主義と楽観主義はどちらが正しいか
人生を豊かにする考え方!

ひとが生きるうえで最も必要なのは希望をもつことである。現在・過去・未来の統合=「時間的ふくらみ」の重要性を解説し、絶望を乗り越え、未来を構想するための方法論を説く。

プロローグ――何が大切といって、私はひとが生き続けることが何よりも大切ではないかと思う。そして、生き続けるうえで最も必要なことは希望をもつことだと考えている。ただし、「生きていれば、いつかよいことがある」「きっと苦労は報われる」「結局はなんとかなるだろう」などという希望ではない。……
何ともならなくてもいいと思えること、このことのなかに希望がある。このことに希望が持てなければ……すべてのひとが絶望の淵にたたき込まれ、とうてい生き続けることはできないように思われるのである。本書は、どのようにしたら希望を持つことができるのか、過去へのこだわりとどのように向かい合って未来を構想できるのか、現在を大切に生きるとはどのようなことをいうのかについて、時間的展望の心理学の立場から考えたものである。――本書より


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目次

●第1章 時間的展望という視点
第1節 時間的展望とは何か――現在が過去と未来を生み出す
第2節 遠い将来を見通す――将来展望の発達としくみ
●第2章 未来に立ち向かう
第1節 確かな希望をもつ――閉塞状況における時間
第2節 不安と向き合う――少年非行の心理
●第3章 現在を生きる
第1章 ポジティブな現在指向のすすめ――中年の危機を乗り越える
第2節 未来志向のバイアスを越える――文化による違い
●第4章 人生を刻む
第1節 時間が速く過ぎるのはなぜか――時間と自我のねじれ現象
第2節 人生に刻みを入れる――世代と世代を結ぶ
●第5章 過去を引き受ける
第1節 過去を通して未来を構想する――記憶と回想の役割
第2節 歴史をつくる――外傷体験からの回復

書誌情報

紙版

発売日

2001年11月20日

ISBN

9784061495777

判型

新書

価格

定価:726円(本体660円)

通巻番号

1577

ページ数

184ページ

シリーズ

講談社現代新書

著者紹介